【忘却曲線】学びを一生のものにする秘訣
今日は、学びのパワーを増幅する特別な道具、「忘却曲線」について話をしていくね。
エビングハウスの忘却曲線
「忘却曲線」って何だと思う?怖い名前のように聞こえるけど、この曲線は僕たちが学んだことをどのように忘れてしまうかを示して、ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスによって19世紀に発見されたんだ。
彼は単語のリストを覚えて、時間が経つとどれだけ忘れるかを調べたんだけど、人間は覚えたことを1時間後に50%程度忘れ、さらに24時間後には記憶したことの約70%を忘れてしまって、そしてなんと1ヶ月後には記憶内容はほとんどゼロに近い状態にまで下がってしまうこと、つまり忘却のパターンである「忘却曲線」を見つけたんだよ。
実験では、新しい情報を学んだ直後は急速に忘れてしまうんだけど、時間が経つにつれてその忘却のペースは遅くなるという結果が出たんだね。
反復学習
実は、ここには学びを改善する秘訣が隠されているんだよ。
それが「反復学習」。
エビングハウスは、学んだことを定期的に思い出す(つまり反復する)ことで、忘却曲線を「リセット」することができると発見し、情報を忘れる速度を遅くすることができるんだって突き止めたんだ。
たとえば、テストのために新しい単語を覚えたとするね。僕たちは、すぐにその単語を忘れてしまうよね? だけど、その単語を何度も繰り返し見て、使って、考えてみると、次第に長く覚えていられるようになる。これが反復学習のパワーなんだよ。
だから、新しい情報を学んだら、その日の終わりにもう一度見直してみるといいよね。そして、数日後、また数週間後にもう一度その情報を確認する。これを繰り返すことで、脳はその情報に愛着を持って「長期記憶ルーム」に保存するようにプログラムするんだ。
海馬
この「長期記憶ルーム」に保存するために、脳の中には記憶を司る大切な部分があるんだ。それが「海馬」って呼ばれる脳の一部なんだけど、有名な脳研究者の池谷裕二さんが書いた「受験脳の作り方」という本では、海馬が脳の中で記憶を管理し、情報を選んだり捨てたりする仕事をしているんだって。その海馬の性質を考えて、彼はこんな「復習計画」を提案しているんだよ:
- 1回目の復習 - 学習した翌日
- 2回目の復習 - 1回目の復習から1週間後
- 3回目の復習 - 2回目の復習から2週間後
- 4回目の復習 - 3回目の復習から1ヵ月後
そして、彼の本では、「睡眠は学んだことをしっかり覚えるために大事な行動だよ」と強調しているんだ。だから、覚えて、寝て、を繰り返すことも忘却曲線のペースを遅くする秘訣だって理解してね。
分散学習
それと、一度にたくさんの情報を詰め込むよりも、少しずつ学ぶことが効果的とも言われているよ。これを「分散学習」と呼ぶんだけど、例えば、一時間かけて同じ内容を何度も繰り返すよりも、その1時間をいくつかの短い学習セッションに分けて、間隔を置いて学ぶ方が、情報を長期記憶ルームに残すのに効果的だと研究でわかっているんだよ。種をまき、時間をかけて育てる農作物のように、知識も時間と共にしっかりと育つんだね。
再生効果
そして、「忘れることそのもの」も実は大切なことなんだ。なぜなら、脳は一度忘れた情報を思い出すことで、その情報をより強く記憶しようとする再学習力があるからね。これを「再生効果」と言うんだけど、忘れた物を脳の奥から引っ張り出すことで、記憶は強化されるようになっているんだよ。だから、「忘れてしまっても大丈夫、忘れた物を引っ張り出せば良い」って思える人は脳とのつきあい方が上手なのかもしれないね。
記憶の秘訣は、「忘れる=悪」ではなくて「忘れる=チャンス」って考えてみることにしよう!
まとめ
「忘却曲線」は僕たちがどの程度、どの速さで学んだこと を忘れるかを示すものだけど、それを逆手に取って
- 「反復学習」
- 「分散学習」
- 「再生効果」
を使えば、学びを強化し、記憶を長続きさせることができるんだよ。
「人間は、忘れる生き物」なんだから、上手に脳の海馬との付き合い方を学んで、「まなびのみち」をより楽しく、効果的に進めていこうね。
これからも、良い学びを続けてね。